21世紀に入り、エネルギー、水、食料、鉱物資源などの資源問題や人類の活動に伴う地球環境問題が重要な課題となっております。
本研究室では、物質の基礎物性を把握し物理化学的な方法による物性の改質を行い、循環型社会の構築に貢献する、廃棄物の有効利用・再資源化システムや環境浄化・資源回収技術の開発に取り組んでいます。
最近の代表的なテーマには以下のテーマがあります.
石炭やバイオマスなどの焼却灰や砕石業における砕石ダスト・ケーキ、鉄鋼業におけるスラグなどの無機系の産業廃棄物や副産物は主にSi-Al-Caからなる鉱物で構成されます。
本研究室では、含まれる鉱物相の性質を把握し、酸処理・水熱処理・溶融処理などにより含まれる鉱物相を選択的に分解・再構築することで、様々な機能を持つ物質を作成するプロセスと得られた物質の特性について研究を行っています。
硫黄は火山国日本に豊富に存在する特異な性質を持つ資源です。
本研究室では、硫黄の特性を活かすことで、バイオマス廃棄物からの高機能金属吸着材の作成プロセスとその特性評価や重金属汚染土壌を固定化する硫黄セメントの調製などについて研究を行っております。
プラスチック・バイオマスなどの有機系廃棄物や有機―無機複合材料は効率的な処理技術とともに無害化・再資源化・含まれる有価物の回収などが可能な新たな処理技術が求められております。
本研究室では、水酸化物アルカリ溶融塩を用いた反応を活用することで有機物を水素に転換しエネルギー供給を行い、無機物を資源として回収する新たな再資源化技術の開発を目指して研究を行っております。
日本は海洋国であり海水の資源としての活用は重要な課題になります。
本研究室では、高塩分濃度の海水・かん水中から有価物や有害物を高選択的に取れる吸着材とともに、今後の人口増加による水資源・食料資源の不足や二酸化炭素の吸収への利用を目指した海水を農業利用可能にする脱塩材の開発について研究を行っております。
宇宙開発が活発化しており月面基地の建設が計画されていますが、必要な資源をすべて地球から運ぶのは困難であり、月面の資源を用いた地産地消プロセスの開発が求められています。
本研究室では、月面に豊富に存在する月面砂(レゴリス)を資源としてもちいた建材などの材料の開発について研究を行っております。